労働なくして収入なし。しかし逆を言えば、十分な貯蓄があれば働かなくても生きていけるってこと。では、いくらあれば働かずして生きていけるのか? 「30歳の独身男性が80歳まで生きる」という条件で、経済ジャーナリストの荻原博子さんに聞いてみた。
「都心の2LDKマンションに住み、趣味や余暇も楽しみたいのであれば、独身でも家賃と生活費で毎月30万円ほどはかかるでしょう。50年間だと1億8000万円の貯蓄が必要です」
一方、第一生命経済研究所の副主任エコノミスト・柵山順子さんは、平均的な家計や家賃をもとに1億2600万円と試算。
「都市部なら毎月の支出は生活費と家賃で21万円。これは『洋服や娯楽にも月に数万円ほど使える』程度の生活水準ですね」
うむむ、もっと少なくならないものか。ファイナンシャルプランナーの藤川 太さんにも聞いてみた。
「郊外に住み、生活費と家賃で毎月13万円ほどに抑えられるなら、50年間で7800万円が必要」
ただし、これは突発的な出費などを無視したギリギリの金額なので、実際は8000万円ほどが最低ライン。では、妻と子供1人を働かずに養うなら? 荻原さんは家賃や生活費、教育費等で毎月50万円ほど必要とし、約3億円と試算。柵山さんは「都内の2LDKマンションに住むなら、平均的な家庭でも月42万円は必要。教育費等を含めて約2億5700万円」と見る。じゃあもっと生活を切り詰めたなら?
「生活費と家賃で20万円とすれば、教育費を含めても1億3000万円ほどで済みます。もちろん、日常生活で達人級の節約術を強いられますが…」(藤川さん)
それでも1億円台…。しかも、これらはいずれも物価が変わらないという前提の話。物価水準が上がれば、必要金額ももちろん上がる。やはり地道に働くしかないのか…。
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