東日本大震災でさまざまな団体が集めている義援金はどのように使われるのか、日本赤十字社に聞いた。
過去の災害では、義援金は行政の復興費用とはせず、すべて被災者に渡された。その配分方法を決めるのが、日赤や共同募金会、報道機関の関連団体などの募金実施団体と、被災した都道府県で構成する「配分委員会」だ。ここで各市町村に割り振り、市町村が被災者に見舞金として渡す。県や市町村を指定して届けられた義援金は、その自治体に配分委員会が設置される。
見舞金を配る対象は▽亡くなった人の遺族▽負傷者▽家屋が全半壊した世帯▽1人暮らしの高齢者▽働き手を亡くした家庭--などだが、受け取れる金額は募金総額や被災者数によって異なる。
例えば家屋の全半壊に対し、総額約256億円の義援金が集まった北海道南西沖地震では、約1000世帯にそれぞれ1000万円以上が給付された。一方、95年の阪神大震災では、神戸市に約950億円が配分されたが、全半壊が約11万棟に上ったため1世帯当たりでは10万~30万円にとどまった。
今回の震災は被害の全容が分からず、配分委員会はまだ設置されていない。阪神大震災と同様、複数県で共同設置される見通しだが、今回は迅速に対応するため国が調整に入る可能性もある。義援金は日赤に2日現在で約980億円、中央共同募金会に先月31日現在で約174億円寄せられており、日赤広報部は「多ければ多いほど、被災者の生活復興がしやすくなる」と幅広い協力を呼び掛けている。
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